まとめて受け取る
PIBとNOTAMブリーフィング
NOTAM は1件ずつ発行されますが、読む側は必要なものをまとめて受け取ります。その束が PIB(飛行前情報公報)で、「NOTAMブリーフィング」と呼ばれることもあります。
このサイトは国土交通省・航空局の公式サイトではありません。表示は参考用で、実際の飛行の計画・判断には必ず公式の航空情報(SWIM/AIS)の原文を確認してください。NOTAM は空域の制限や施設の状態を知らせるもので、催し物の開催を公式に告知するものではありません。
1件ずつ読むものではない
日本の空域だけでも、有効な NOTAM は常に千件を超える規模で存在します。 このサイトが掲載している実データも、20〜30の空港に絞ってなお数百件あります。
全部に目を通すことはできません。そこで実務では、 対象と期間で絞った束を受け取ります。たとえば次のような絞り方です。
| 絞り方 | 例 |
|---|---|
| 場所 | 出発地・目的地・代替地の空港と、その間の空域 |
| 期間 | 出発から到着までの時間帯に有効なもの |
| 高度 | 飛ぶ高度に関係する範囲のもの |
| 重要度 | 運航に影響するものを優先し、参考情報は後ろへ |
この束が PIB です。PIB は新しい情報ではなく、既存の NOTAM の抜き出しである点が要点です。 中身の1件1件は、このサイトで説明している普通の NOTAM です。
Q項の4番目が束への入り方を決めている
Q項の4番目は、その NOTAM をどう扱うかを表しています。
ここに B が入っているものが、PIB に載る対象です。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
N | 直ちに操縦者へ通報が必要 |
B | PIB(飛行前情報公報)に掲載 |
O | 飛行の運航に重要 |
M | その他(雑) |
実際には NBO や BO のように組み合わさって出ます。
いま出ているNOTAMでは、この部分を「扱い」として日本語で表示しています。
逆に M だけのものは、束に入らない参考扱いということです。
同じ空港の NOTAM でも、重み付けが最初から違うわけです。
ブリーフィングという言葉の使われ方
「ブリーフィング」は文脈によって指すものが変わるので、整理しておきます。
| 使われ方 | 指しているもの |
|---|---|
| NOTAMブリーフィング | 条件で絞った NOTAM の束。実質的に PIB と同じものを指すことが多い |
| 飛行前ブリーフィング | 飛行の前に情報を確認する行為そのもの。NOTAM 以外に気象なども含む |
| ブリーフィング施設 | その情報を提供する窓口や仕組み |
このサイトが扱うのは1件ごとの NOTAM を読めるようにすることで、 束を作ること自体ではありません。ただし実データの一覧は 空港と種類で絞り込めるので、「特定の空港について、いま何が出ているか」を見る用途には使えます。
束の中では何が優先されるのか
束は単なる寄せ集めではなく、読む順番に意味があります。 一般に、運航の可否に直結するものが前に、参考情報が後ろに置かれます。
| 優先度 | 内容の例 |
|---|---|
| 高い | 滑走路の閉鎖、進入方式が使えない、航法施設の停止 |
| 中 | 誘導路や駐機場の閉鎖、灯火の一部故障 |
| 低い | 標識の消去、遠方の障害物灯、書類の訂正 |
このサイトの一覧は開始時刻の順に並べているだけで、優先度では並べていません。 そこは実務の束と決定的に違う点です。ただし種類で絞り込むことはできるので、 「滑走路」だけ、「航法・通信・レーダー」だけ、といった見方はできます。
雪と火山は別の書式で入る
束の中には、普通の NOTAM とは書式の違うものが混ざることがあります。
| 名前 | 内容 |
|---|---|
| SNOWTAM | 滑走路の雪・氷・水の状態。決まった項目に分けて数値で書く |
| ASHTAM | 火山灰が運航に影響する状況。噴火の警戒レベルなどを含む |
どちらも専用の書式を持つため、このサイトのデコーダでは Q項の形が合わず分解できません。原文をそのまま読む必要があります。
日本の SNOWTAM は専用のシリーズ記号で配信されます。 冬季に北日本の空港を見るときは、通常の NOTAM とは別に確認してください。
チェックリストという特殊な束
NOTAM の中には、本文が情報ではなく「番号の一覧」だけというものがあります。 チェックリストと呼ばれ、ある時点で有効な NOTAM の番号が並びます。
これは受け取る側が取りこぼしを見つけるためのものです。
- チェックリストにあるのに手元に無い → 受け取り損ねている
- 手元にあるのにチェックリストに無い → すでに無効になっている可能性がある
Q項の記号が K になっているのが目印です。
束を機械で取り込んでいる場合、この照合を自動で行います。
詳しくはNOTAM の種類で扱っています。
★ このサイトの一覧をPIBの代わりにしないこと
はっきり書いておきます。このサイトの一覧は PIB ではありません。
- 全件ではありません。掲載しているのは取得時点で抜き出した一部です
- 自動更新ではありません。取得後に出た情報や、取り消された情報は反映されていません
- 重要度で並べていません。開始時刻の順に並べているだけです
実際の飛行の準備には、公式に配信された束を使ってください。 このサイトは読み方を身につけるため、また内容を日本語で把握するためのものです。 表示の限界は免責事項にまとめています。
よくある質問
PIBはどこで受け取れますか。
日本では国土交通省の航空情報サービスを通じて提供されます。入手経路については日本のNOTAMの入手先を見てください。
PIBに載らないNOTAMは読まなくてよいのですか。
そうとは限りません。Q項の4番目は扱いの目安であって、内容の重要性を保証するものではありません。関係しそうな範囲は原文で確認してください。
NOTAMブリーフィングとPIBは違うものですか。
実務ではほぼ同じものを指して使われます。厳密には PIB が「束そのもの」、ブリーフィングが「その束で情報を確認する行為や仕組み」を指すことが多い、という程度の違いです。
海外の空港のPIBも同じ形ですか。
NOTAM の書式は国際的に共通なので、読み方は同じです。ただし束の作り方や提供の仕組みは国ごとに違います。なお日本の NOTAM は日本の窓口からしか取れず、他国のサービスには入っていません(日本のNOTAMの入手先)。
束の中に古いNOTAMが混ざることはありますか。
あります。配信側の不具合で、無効になったものが抽出・表示される件が告知されています。NOTAMR や NOTAMC の指し先を自分で確かめてください(NOTAM の種類)。
