座標
NOTAMの座標を地図で読む
NOTAMには場所が座標で書かれています。形さえ分かれば、地図上のどこかを特定できます。
このサイトは国土交通省・航空局の公式サイトではありません。表示は参考用で、実際の飛行の計画・判断には必ず公式の航空情報(SWIM/AIS)の原文を確認してください。NOTAM は空域の制限や施設の状態を知らせるもので、催し物の開催を公式に告知するものではありません。
Q項の末尾は「中心と半径」
Q項のいちばん最後の区切りが場所です。
Q)RJJJ/QRTCA/IV/BO/W/000/100/3823N14100E005
└─ 中心の座標 ─┘└半径┘
| 部分 | 意味 |
|---|---|
3823N | 北緯38度23分 |
14100E | 東経141度00分 |
005 | 半径5海里 |
緯度は「度2桁+分2桁」、経度は「度3桁+分2桁」です。経度が3桁なのは、 180度まであるためです。秒まで入る形もあります。
3823N14100E → 度・分(北緯38度23分/東経141度00分) 382300N1410000E → 度・分・秒(北緯38度23分00秒/東経141度00分00秒)
海里とキロメートル
半径は海里(NM)です。1海里は約1.852キロメートルです。
| NM | おおよそ | NM | おおよそ |
|---|---|---|---|
| 1 | 約1.9 km | 10 | 約18.5 km |
| 2 | 約3.7 km | 14 | 約26 km |
| 5 | 約9.3 km | 25 | 約46 km |
| 8 | 約15 km | 40 | 約74 km |
いま出ているNOTAMでは、半径をキロメートルに直して併記し、 中心の座標から地図へのリンクを出しています。
E項の多角形は座標を順に結ぶ
細かい形を表すときは、E項に座標が並びます。
AREA: BOUNDED BY FLW POINTS 354345N1394043E - 354343N1394046E - 354346N1394049E - 354348N1394047E - 354345N1394043E
BOUNDED BY FLW POINTS は「次の点で囲まれた範囲」という意味で、
座標を書かれた順に結んだ多角形になります。
最後の点が最初の点と同じなのは、図形を閉じるためです。
点が2つしかない場合は線、WI A RADIUS OF 20M OF ... のように
書かれている場合は「その点から半径20メートルの円」です。
Q項とE項で範囲が違うことがある
Q項の中心と半径は、機械が大まかに絞り込むためのものです。 実際の範囲はE項に書かれた形の方が正確です。 Q項の円の中に、E項の小さな多角形が入っている、という関係になります。
場所を正確に知りたいときはE項を読んでください。
A項の空港コードと、Q項の座標の関係
A項には対象の飛行場が4文字のコードで書かれ、Q項には座標が書かれています。 この二つは同じ場所を指しているとは限りません。
(J1763/26 NOTAMN Q)RJJJ/QOLAS/IV/M/AE/000/004/3538N13945E005 ← 中心は北緯35度38分・東経139度45分 A)RJTT ← 東京国際空港(羽田)が対象 E)OBST LGT U/S TYPE: BLDG PSN: 353823.9N1394445.5E ELEV: 330FT AMSL (MINATO-KU IN TOKYO)) ← 実際の場所は東京都港区
2026年8月22日にSWIMから取得した実物です。「羽田空港の運用に関わる情報だが、 灯火が消えている建物があるのは港区」という意味で、空港からは約10km離れています。 A項は「どの飛行場の運用に関係するか」、Q項とE項は「実際にどこか」を表しています。
経路上の障害物や無人航空機のNOTAMでは、この差がもっと大きくなることもあります。
場所を知りたいときはA項ではなくQ項の座標かE項の PSN: を見てください。
飛行場コードの一覧は略語の対訳表に載せています。
高さの基準を取り違えない
座標で場所が分かっても、それだけでは足りません。高さの基準が3種類あります。
| 表記 | 基準 | 意味 |
|---|---|---|
AMSL | 平均海面 | 海面からの高さ。地面の標高は関係しない |
AGL | 真下の地面 | 地表からの高さ。標高の高い場所では海面高度が大きくなる |
FL | 標準気圧 | フライトレベル。FL100 でおおむね10,000フィート |
たとえば標高500フィートの丘の上で G)1000FT AGL と書かれていれば、
海面からは約1,500フィートになります。同じ数字でも基準が違えば別の高さです。
SFC(地表面)や GND(地面)は下限としてよく使われ、
UNL は上限なしを意味します。
地図で確かめる手順
度分秒を、地図サービスが受け取れる形(十進法)に直します。
北緯35度33分 → 35 + 33/60 = 35.55 北緯35度33分12秒 → 35 + 33/60 + 12/3600 = 35.5533…
これを「緯度,経度」の順に並べて地図サービスの検索欄に入れると、その地点が表示されます。
35.55,139.78
いま出ているNOTAMとデコーダでは、この計算を自動で行い 「地図」のリンクを出しています。押すと外部の地図サービスへ移動します。
注意すること
- 座標は概略のことがあります。「APRX」「約」と書かれている場合は特にそうです
- 高さは別の情報です。地図上の位置が分かっても、F項・G項の高度範囲を必ず併せて見てください
- 地図サービスへ移動すると、その座標が移動先へ送られます
★ 実物の座標を1つ、実際に変換する
説明した手順を、実際に出ていた花火の NOTAM(2026年8月22日取得)でやってみます。
Q項の末尾は 3444N13744E001、E項には
PLACE: RADIUS 60M CENTER 344341N1374346E とあります。
- Q項の
3444N13744E001は「北緯34度44分・東経137度44分、半径1海里」。分までの丸めです - E項の
344341N1374346Eは秒まである正確な中心。34度43分41秒・137度43分46秒 - 10進に直します。34 + 43/60 + 41/3600 = 34.7281、137 + 43/60 + 46/3600 = 137.7294
- 地図アプリの検索窓に
34.7281, 137.7294と貼ると、その場所が出ます
この例で分かるとおり、Q項の座標と半径は概略、E項が実体です(実際の危険範囲は半径60m)。 どちらを見ているかを意識しないと、危険範囲を実際の30倍に読み違えます。
| 半径の表記 | キロメートル |
|---|---|
| 001(1海里) | 約1.9km |
| 005(5海里) | 約9.3km |
| 010(10海里) | 約18.5km |
| 025(25海里) | 約46.3km |
花火の NOTAM そのものの読み方は花火のNOTAMで扱っています。
よくある質問
座標の N と E は何ですか。
北緯(North)と東経(East)です。日本国内のNOTAMはすべてこの組み合わせになります。南緯なら S、西経なら W です。
半径の単位はメートルですか。
Q項の末尾3桁は海里です。ただしE項の本文中では「RADIUS 150M」のようにメートルで書かれることもあります。単位の表記を必ず確認してください。
半径が 999 になっているものがあります。
範囲が特定の円に収まらない、あるいは非常に広いことを表します。実際の範囲はE項の本文で確認してください。同じように、上限高度の 999 は「無制限」の意味で使われます。
同じ場所に複数のNOTAMが出ています。
内容ごとに別のNOTAMになるため、ひとつの場所に何件も出るのは普通のことです。番号の新しいものが古いものを置き換えているとは限りません。NOTAMR と書かれたものだけが、指している番号を差し替えています。
