種類別

滑走路・誘導路の閉鎖のNOTAM — 夜間の工事をどう読むか

滑走路の閉鎖は QMRLC、誘導路の閉鎖は QMXLC です。2026年8月22日に取得した165件のうち、この2つが15件(滑走路6件・誘導路9件)。時刻を日本時間に直すと、滑走路6件のうち5件が夜10時から朝7時半の間にかかっていました。

このサイトは国土交通省・航空局の公式サイトではありません。表示は参考用で、実際の飛行の計画・判断には必ず公式の航空情報(SWIM/AIS)の原文を確認してください。NOTAM は空域の制限や施設の状態を知らせるもので、催し物の開催を公式に告知するものではありません。

編集責任:ちんあなご編集部(ちんあなごチャンネル) 運営情報

最終確認日:

出典の確認:件数・実物は国土交通省 SWIM から取得(2026年8月22日・165件)。時刻の書式は EASA 規則案 NPA 2016-02 付録2で2026年11月2日に確認。閉鎖の理由や運用の背景は確認できていません。

Q項で見分ける

Qコード読み取得した件数
QMRLC主題 MR(滑走路)+状態 LC(閉鎖)6件
QMXLC主題 MX(誘導路)+状態 LC(閉鎖)9件
QMXLT誘導路+LT(次に限定)。閉鎖ではなく、使える条件が限られる1件

滑走路の閉鎖は Q項の4番目が NBO(すぐ知らせる・PIB に載せる・運航に重要)の6件、誘導路の閉鎖は M(その他)の9件でした。 同じ「閉鎖」でも、滑走路のほうが飛行前の束(PIB)に入る扱いで、重く扱われています。

誘導路は、閉鎖でも QMXLC のE項に「どの誘導路か」が長く並ぶことがあります(TWY A3,A6,A9,A11,A14,L3,L6,L9,L11,L13,L14 のように、記号を並べる書き方)。 略語は TWY=誘導路、RWY=滑走路、CLSD=閉鎖、BTN=〜の間、FM=〜から、です。辞書にない略語は原文で確かめます。

日本時間にすると、夜と未明が多い

滑走路の閉鎖6件の期間を日本時間にしました。取得は2026年8月22日で、期間はすべて終わっています。 D項があるものは、実際に閉まるのはD項の時間帯だけです(D項の読み方)。

空港(A項)日本時間の期間D項
東京国際空港(RJTT)8月22日(土)23:45 〜 8月23日(日)06:00なし
関西国際空港(RJBB)8月26日(水)00:00 〜 8月29日(土)06:30あり。実施は26日・27日・29日の0:00〜6:30
中部国際空港(RJGG)8月26日(水)02:50 〜 04:55なし
福岡空港(RJFF)8月22日(土)22:30 〜 9月1日(火)06:30あり。実施は各日の22:30〜翌06:30

この4件は、いずれも夜10時以降から朝6時台までの時間帯です。残りの2件のうち1件も、日本時間では夜22:00から翌朝07:30まででした。 例外は、朝7時台に30分だけ閉まった清掃(SWEEPING)の1件だけです。 UTC の数字だけを見ると「15時」「21時」と昼間のように見えますが、日本時間にすると深夜の整備です。UTC の10桁の直し方で、一つずつ確かめられます。

誘導路の9件のうち5件(東京国際・関西国際・中部国際・那覇など)も同じ傾向で、日本時間の夜11時台から午前0時台に始まり、朝5時半〜7時に終わる形でした。 逆に、対馬の誘導路の1件は、日本時間19:00〜24:00で、イベント(EVENT)のための閉鎖でした。

★ 関西の1件 — 滑走路と誘導路が同じ時間に閉まる

滑走路の閉鎖(B2190/26)と同じ日時で、誘導路の閉鎖(B2192/26)が同じ空港に出ていました。滑走路のほうの全文です。

(B2190/26 NOTAMN
Q)RJJJ/QMRLC/IV/NBO/A/000/999/3426N13514E005
A)RJBB B)2608251500 C)2608282130
D)25-26 28 1500/2130
E)RWY 06R/24L CLSD DUE TO MAINT)

B項・C項・D項はUTCです。日本時間にすると、閉鎖は8月26日・27日・29日の未明0:00から6:30までの3回。 D項の日付 25-26 28 は UTC の日付なので、28日は含まれません(詳しくはD項の読み方)。 誘導路のほうは、E項に TWY P や E9、J4、A10、A12 の区間が並び、同じ空港の同じ期間に、滑走路と別に誘導路も閉鎖されていました。 滑走路だけを見て、誘導路の知らせを見落とすと、地上走行の経路の判断を誤ります。同じ空港・同じ期間の別の NOTAM を並べて読んでください。

EXC の行 — 閉鎖には例外がある

閉鎖の15件のうち、7件に EXC(〜を除く)で始まる行がありました。内訳は次のとおりです。

E項の行件数読み
EXC ACFT WITH PRIOR PERMISSION AT LEAST 1HR BFR5件航空機(ACFT)で、事前の許可を得たものを除く。AT LEAST 1HR BFR は、1時間(HR)より前(BFR)という時間の条件
EXC ACFT WITH PRIOR PERMISSION1件事前の許可を得た航空機を除く(時間の条件の記載なし)
RMK: EXC MISSION AND EMERG ACFT1件備考(RMK)で、任務および緊急の航空機を除く

注意するのは、CLSD(閉鎖)の行の次に EXC が続くとき、閉鎖は全面ではないということです。 どんな航空機が、どんな手続きで、いつまでに許可を得れば使えるのかは、英文のままなので、原文で確かめます。 このサイトは英文を翻訳しないので、「事前許可が必要」という大筋までを読み取って、中身は原文で確かめる扱いにしています。 デコーダに貼り付けると、EXC や PRIOR に訳語が添えられます。

閉鎖の理由は DUE TO の後ろ

閉鎖の15件のうち14件は、理由がDUE TO(〜のため)の後ろに書かれていました。

理由件数略語の意味
MAINT6件整備
CONST5件工事(construction の略に見えますが、略語表には未収録です)
SWEEPING1件清掃(略さずに書かれていました)
EVENT1件イベント(略さずに書かれていました)
ANTENNA で始まる文1件DUE TO ANTENNA PER AND VERIFICATION TEST と続く。英文なので翻訳せず、原文で確かめます
理由の記載なし1件TWY P2 CLSD とだけ書かれ、参照先(REF AIP SUP)が添えられていました

理由は、閉鎖がいつ終わるかの手がかりになります。整備や清掃は短い時間で終わるものが多く、取得した例では、工事5件のうち4件は1日未満、1件は約26日。整備6件は1日未満が3件、約3日が2件、約9日が1件でした。理由だけで期間は読めないので、日付で確かめます。 理由の記載がない1件は、期間が約7週間と長いものでした。 理由が無い場合は、どれくらい続くのかを日付で読むしかありません。

閉鎖ではなく「限られる」— QMXLT

1件だけ、誘導路の状態が LT(次に限定)でした。東京国際空港の誘導路で、E項にRESTRICTED DUE TO CONST(CONST は工事の意味に見えます)と、 NOT AVBL FOR ACFT WITH … で始まる条件が続きます。AVBL=利用可能、ACFT=航空機で、条件の中には機体の大きさ(WINGSPAN)と 65.0M の数字が出てきます。 英文は翻訳しないので、どの機体が使えないのかという条件の向きは、原文で確かめてください。

B項・C項は 2608291500 から 2608292100 で、日本時間の8月30日(日)0:00〜6:00。ここでも、UTC の日付の29日と、日本時間の30日はずれています。 閉鎖と限定の違いは、Q項の最後の2文字だけです(LC と LT)。Qコードの対訳表の「読み違えやすいQコード」にも載せています。

読むときの順番

  1. Q項で、滑走路(MR)か誘導路(MX)か、閉鎖(LC)か限定(LT)かを見分ける
  2. A項で空港を確かめる。RJJJ は空港ではなく福岡 FIR で、閉鎖の知らせには出てこない
  3. B項・C項・D項を日本時間に直し、いつ閉まるのか(夜間か)を確かめる
  4. E項で、どの滑走路・誘導路か、理由は何か、EXC の例外があるかを読む
  5. 同じ空港・同じ期間の別の NOTAM(誘導路、灯火)も並べて読む

この頁は読み方の説明で、航空機の運航には使用できません。実際の飛行の計画・判断には、公式に配信された原文を使ってください。

よくある質問

QMRLC と QMXLC の違いは何ですか。

主題の MR が滑走路、MX が誘導路です。どちらも状態の LC は閉鎖を表します。滑走路の閉鎖のほうが、飛行前の束(PIB)に入る扱いでした。

夜中に滑走路が閉まるのはなぜですか。

このサイトでは理由を確かめていません。取得した例で言えるのは、滑走路の閉鎖6件のうち5件が日本時間の夜10時から朝7時半の間にかかっていて、理由は整備・工事・清掃だったということです。

EXC があれば、その滑走路は使えますか。

使える場合がある、という意味です。事前の許可など、条件は原文に書かれています。条件の中身は原文で確かめてください。

閉鎖の NOTAM があれば、その時間はずっと閉鎖ですか。

D項があるときは、D項の日付と時間帯だけです。D項が無ければ、B項からC項までが閉鎖の期間です。

次に読むページ