種類別
障害物・障害灯のNOTAM — クレーンや鉄塔の知らせの読み方
障害物に関する NOTAM は、Q項の2つのコードで見分けられます。QOBCE は障害物が設置された(クレーンの立ち上げなど)、QOLAS は障害物灯が使用できない(鉄塔や建物の灯火の故障)です。2026年8月22日に取得した165件のうち、この2つで17件ありました。
このサイトは国土交通省・航空局の公式サイトではありません。表示は参考用で、実際の飛行の計画・判断には必ず公式の航空情報(SWIM/AIS)の原文を確認してください。NOTAM は空域の制限や施設の状態を知らせるもので、催し物の開催を公式に告知するものではありません。
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最終確認日:
出典の確認:制限表面は航空法第2条・第49条(e-Gov 法令検索)、航空障害灯は航空法第51条(国土交通省)を2026年11月2日に確認。件数・実物は国土交通省 SWIM から取得(2026年8月22日・165件)。個々の NOTAM の発行の根拠は確認できていません。
2つのコードの違い
| Qコード | 読み | どんな知らせか | 取得した17件では |
|---|---|---|---|
QOBCE | 主題 OB(障害物)+状態 CE(設置された) | 空港の近くに、航空機の飛行に関わる高さの物件が立った。クレーン、重機、煙突、船など | 8件 |
QOLAS | 主題 OL(障害物灯)+状態 AS(使用不能) | もとからある鉄塔・建物などの障害物灯が消えている | 9件 |
2つとも、17件すべてで Q項の4番目は M、対象の交通は IV(計器飛行・有視界飛行の両方)でした。
M は、EASA の書式の資料では「その他の NOTAM。ブリーフィングの対象ではなく、請求すれば得られる」とされるものです。
飛行前に自動で束ねて渡される束(PIB)に入る種類ではない、という扱いで、見落としやすい種類と言えます。
E項は、QOBCE が「物件の名前+ EXIST +どの面の上か」で始まり、1.PSN(位置)、2.NUMBER(数)と続く形でした。
QOLAS は OBST LGT U/S(障害物灯・使用不能)の下に、TYPE(物件の種類)、PSN(位置)、ELEV(標高)、かっこの中に市町村名が並びます。
英文は翻訳せず、略語は略語の対訳表で引いてください。
★ 障害物灯が消えている — QOLAS を1件読む
2026年8月22日に国土交通省 SWIM から取得した成田国際空港(A項 RJAA)の1件です(期間は終わっています)。
(A1265/26 NOTAMN Q)RJJJ/QOLAS/IV/M/AE/000/004/3550N14010E005 A)RJAA B)2608220923 C)2609170600 E)OBST LGT U/S TYPE: POWER LINE TOWER PSN: 354942.0N1401015.2E ELEV: 339FT AMSL (INZAI-SHI IN CHIBA))
| 行 | 読み |
|---|---|
QOLAS | 障害物灯が使用不能。AE は、飛行場およびエンルート(航空路)に関わる情報 |
000/004 | 高さの範囲は地表面から FL004(おおむね400フィート)まで |
3550N14010E005 | 中心は北緯35度50分・東経140度10分、半径5海里(座標の読み方) |
B)2608220923 C)2609170600 | UTC です。日本時間では8月22日(土)18:23から9月17日(木)15:00まで、約26日間(時刻の直し方) |
TYPE: POWER LINE TOWER | 物件の種類は送電線の鉄塔 |
PSN: 354942.0N1401015.2E | 位置は北緯35度49分42.0秒・東経140度10分15.2秒。Q項の中心(35度50分)は、これを分まで丸めた値に見えます |
ELEV: 339FT AMSL | 標高339フィート(平均海面から) |
(INZAI-SHI IN CHIBA) | 千葉県印西市 |
読み取れるのは「印西市の送電線の鉄塔の障害物灯が、約26日間使えない」ということです。
鉄塔そのものがなくなったわけではなく、夜間などに灯火で気づく前提の物件に、灯火がないという注意の知らせです。
この種類の知らせは、期間が長めでした。取得したQOLASの9件は、期間が約26日から約91日まで、8件は55日以上でした。
Q項の上限 004 は、E項の標高 339フィートを100フィート刻みに切り上げた数字(4×100フィート)に当たります。
9件すべてで、ELEV の数字を切り上げた値が Q項の上限と一致していました(たとえば標高48フィートは 001、標高519フィートは 006)。
★ 物件が立った — QOBCE を1件読む
同じく成田国際空港の1件です。重機が滑走路の近くに立つという内容で、取得は2026年8月22日、期間は終わっています。
(A1233/26 NOTAMN
Q)RJJJ/QOBCE/IV/M/A/000/003/3546N14023E005
A)RJAA B)2608171430 C)2608312000
D)17-21 24-28 31 1430/2000
E)HVY EQPT EXIST ABV APCH SFC FOR RWY 16L AND ABV TRANSITIONAL SFC
FOR RWY 16L/34R
1.PSN : BOUNDED BY FLW POINT
354841.61N1402241.01E - 354712.66N1402344.40E -
354700.68N1402319.43E - 354829.64N1402216.05E -
354841.61N1402241.01E
(610M BFR TO 2550M BEYOND RWY 16L THR AND
345M LEFT TO 375M RIGHT RCL)
(NARITA-SHI IN CHIBA)
2.NUMBER : MAX 8
3.RMK : WX MNM,INSTRUMENT APCH PROC,SID,STAR NO CHANGE
F)SFC G)283FT AMSL)
| 行 | 読み |
|---|---|
QOBCE | 障害物が設置された。高さの範囲は 000/003(地表面〜おおむね300フィート) |
B)2608171430 C)2608312000 | UTC です。日本時間では8月17日(月)23:30から9月1日(火)05:00まで、約14日間 |
D)17-21 24-28 31 1430/2000 | 実施されるのは UTC の17〜21日・24〜28日・31日の14:30〜20:00。日本時間では、各日の23:30から翌朝05:00。夜間に作業する形で、22〜23日・29〜30日は含まれません(D項の読み方) |
HVY EQPT EXIST ABV APCH SFC FOR RWY 16L AND ABV TRANSITIONAL SFC FOR RWY 16L/34R | 重機(HVY EQPT)が、滑走路16Lの進入のための面(APCH SFC)の上と、16L/34Rの転移面(TRANSITIONAL SFC)の上にある、という書き方 |
1.PSN: BOUNDED BY FLW POINT … | 位置は、4つの座標で囲んだ範囲。滑走路末端からの距離(610メートル手前から2550メートル先、中心線から左345メートル〜右375メートル)がかっこの中に書かれている |
2.NUMBER: MAX 8 | 物件の数は最大8(MAX=最大) |
F)SFC G)283FT AMSL | 下限は地表面、上限は標高283フィート(平均海面から) |
3つ目の行の備考(3.RMK)は、気象条件の最低値や計器進入の方式などに関する定型の文で、原文で確認してください。英文は翻訳しません。
Q項の上限 003 は、G項の283フィートを100フィート刻みに切り上げた数字です。取得したQOBCEのうち、G項に標高の数字がある7件では、いずれも切り上げた値と一致しました
(26フィートは 001、125フィートは 002、294フィートは 003)。
Q項は機械で拾うための要約なので、正確な高さを知りたいときはF項・G項の数字を使います。
E項に出てくる「面」と航空法
QOBCE の8件のうち7件は、E項に APCH SFC・TRANSITIONAL SFC・HORIZONTAL SFC という語が入っていました。
これらは、航空法の進入表面・転移表面・水平表面に対応する語に見えます。航空法第2条の定義では、次のとおりです(e-Gov 法令検索、2026年11月2日に確認)。
- 進入表面(第2条第8項) — 着陸帯の短辺に接続する、水平面に対して上方へ50分の1以上で国土交通省令の勾配を持つ平面
- 水平表面(第2条第9項) — 空港等の標点の垂直上方45メートルの点を含む水平面のうち、4,000メートル以下で国土交通省令の長さの半径で描いた円周で囲まれた部分
- 転移表面(第2条第10項) — 進入表面の斜辺を含む平面と、着陸帯の長辺を含む平面などで囲まれた面(勾配は国土交通省令で定める)
同じ法律の第49条は、空港について告示があった後は、これらの表面の上に出る高さの建造物、植物その他の物件を設置、植栽、留置することを禁じています(原則)。 ただし書で、仮設物その他の国土交通省令で定める物件(進入表面・転移表面に係るものを除く)で、空港の設置者の承認を受けたものは例外とされています。 また、空港の設置者は、違反して置かれた物件の所有者らに除去を求めることができる、とされています。
この条文と NOTAM の関係で、このサイトが確かめられているのは、E項に書かれている面の名前が、航空法に出てくる面の名前と対応して見えるという点までです。
個々の NOTAM が、どの承認や手続きに基づいて出ているかは、取得した原文からは分かりません。表面を超えているのか、下にあるのかも、原文の語(ABV=〜より上、BLW=〜より下)を読んで確かめます。
8件のうち1件のバックホー(建設用の掘削機)は BLW TRANSITIONAL SFC と書かれていて、「面より下」と読めます。
障害物灯のほうは、航空法第51条で、地表または水面から60メートル以上の高さの物件には、国土交通大臣の許可を受けた場合を除き、航空障害灯の設置が義務づけられています
(国土交通省の説明、2026年11月2日に確認)。QOLAS は、その灯火が使えなくなっているときの知らせ、と読めます。
ただし NOTAM の原文に物件の高さは書かれていないので、「60メートル以上の物件だから出ている」とまでは言えません。
17件を数えると
| 種類 | 物件の例(E項の語) | 期間の長さ |
|---|---|---|
QOBCE 8件 | クレーン2件、クレーン船、バックホー、重機、煙突、樹木、船(OBST(VESSEL))が各1件 | 1日未満が3件、約1〜2週間が2件、約58日〜92日が3件 |
QOLAS 9件 | TYPE は、送電線の鉄塔3件、鉄塔3件、建物2件、アンテナ1件 | 約26日が1件、55〜91日が8件 |
期間が1日未満の3件は、クレーンの作業や、船が滑走路の進入の面を横切る間だけの短いものです(船の1件は、C項が EST でした)。
一方、約3か月続くものは、固定のクレーンや煙突のように、しばらく立ち続ける物件でした。期間の長さが、物件の種類の手がかりになります。
実際の例として、福岡空港(A項 RJFF)の鉄塔の障害物灯の件は、2026年8月6日の20:50(日本時間)から10月10日の00:00までで、約64日間でした。
仙台空港(A項 RJSS)のアンテナの件は、7月9日13:51から10月1日00:00までです。いずれも取得時点で、すでに数週間使えない状態が続いていました。
読むときの線
- NOTAM は、物件の設置を許可する文書ではありません。立っている、または灯火が使えない、という事実を知らせるものです。
- E項の英文は翻訳しません。位置は座標と距離を読み、地図で場所を確かめます(座標の読み方)。
- D項があるときは、実施される日と時間帯が限られます。日付も時刻も UTC です。
- 障害物の NOTAM がなくても、物件がない、灯火が使える、とは言えません。
この頁は読み方の説明で、航空機の運航には使用できません。実際の飛行の計画・判断には、公式に配信された原文を使ってください。
よくある質問
QOBCE と QOLAS はどう違いますか。
QOBCE は障害物(クレーンなど)が設置されたという知らせ、QOLAS はもとからある障害物の灯火が使えないという知らせです。主題の OB は障害物、OL は障害物灯です。
クレーンが立つと、いつも NOTAM が出ますか。
このサイトでは確かめられていません。取得した165件の範囲で言えるのは、物件の設置を知らせる QOBCE 8件のうち7件のE項に、進入・転移・水平の面の語が入っていたということだけです。
ELEV と G項の高さは同じ意味ですか。
QOLAS の ELEV は標高(平均海面から)の数字です。QOBCE では、G項に標高の数字が書かれます。どちらも Q項の上限は、100フィート刻みに切り上げた値でした。
障害物の NOTAM は PIB に入りますか。
取得した17件は、Q項の4番目がすべて M でした。M は書式の資料では、ブリーフィングの対象ではなく請求すれば得られるものとされています。PIB に載る種類ではない扱いです。

