手続き
ノータム申請 — NOTAMを出してもらう側の手続き
「ノータム申請」という言葉で探されるものは2つあります。見るための申請は存在しません——誰でも読めます。ここで説明するのは出す側、つまり自分の行為(花火の打上げ、ドローンの飛行など)をNOTAM として知らせてもらうための手続きです。2026年9月2日時点の公式資料に基づきます。
このサイトは国土交通省・航空局の公式サイトではありません。表示は参考用で、実際の飛行の計画・判断には必ず公式の航空情報(SWIM/AIS)の原文を確認してください。NOTAM は空域の制限や施設の状態を知らせるもので、催し物の開催を公式に告知するものではありません。
まず: 見るだけなら申請は要らない
NOTAM を読むこと自体に許可や申請は不要です。国土交通省の SWIM でアカウントを作れば ブラウザで検索できますし(入手先の説明)、 このサイトの日本語一覧やデコーダでも読めます。 「ノータム申請」を検索してここに来た方の多くは、この時点で用が済むはずです。
ここから先は、自分の行為を NOTAM にしてもらう手続きの話です。
NOTAM は誰が出しているのか
NOTAM を発行するのは国であって、個人や主催者ではありません。 航空法第99条が「国土交通大臣は、航空機乗組員に対し、航空機の運航のため必要な情報を 提供しなければならない」と定めており (e-Gov: 航空法)、 実際の発行は航空情報センターが一元的に行っています(NOTAMとは参照)。
つまり正確には「申請して自分で出す」のではなく、 決められた届出をすると、国の側が NOTAM にして流すという構図です。 だから手続きの名前も「許可申請」「通報」「飛行内容通知」であって、「NOTAM申請」という様式はありません。
★ 花火・ロケット・気球・凧・レーザー — 航空法134条の3
地上からの行為の根拠は航空法第134条の3です。2段構えになっています (航空局のリーフレット(PDF)・ e-Gov: 施行規則)。
| どこで | 何が必要か | |
|---|---|---|
| 許可(第1項) | 管制圏・情報圏・高度変更禁止空域・特別管制空域(おおむね空港とその周辺) | 国土交通大臣の許可。無許可だと50万円以下の罰金(法150条) |
| 通報(第2項) | それ以外の空域のうち、進入表面等の上空、告示で指定された空域、緊急用務空域、航空路内の地上150m以上、その他の場所の地上250m以上 など | あらかじめ通報。しなかった・偽った場合は30万円以下の過料(法161条) |
対象になる行為は施行規則第239条の2・239条の3に列挙されています: ロケット・花火・ロックーン等の打上げ、気球の放球・浮揚(玩具用を除く)、凧揚げ、 模型航空機の飛行、航空機に向けた可視光レーザーの照射(許可側)、航空機の集団飛行、 ハンググライダー・パラグライダー。
申請書・通報に書くのは、氏名・住所・連絡場所、行為の目的、内容・日時・場所などです。 期限は条文上「あらかじめ」としか定められていないので、日程が決まったら早めに窓口へ。
窓口は全国で2か所に集約されています(リーフレット 2026年時点):
- 東日本(北海道〜静岡): 東京空港事務所の飛行援助センター(東京FAIB)。電話 050-3198-2865(24時間)・メール cab-hnd-kyoka@mlit.go.jp
- 西日本(富山〜沖縄): 関西空港事務所の飛行援助センター(関西FAIB)。電話 072-455-1330
この届出の内容が航空情報(NOTAM)として流れる根拠は、施行規則第209条の2第1項6号 「ロケット、花火等の打上げ……その他航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある事項」です。 花火が実際にどんな NOTAM になるかは花火のNOTAMで実物を分解しています。
★ ドローン — DIPS に出すだけでは NOTAM にならない
ここがいちばん誤解の多いところです。ドローンの飛行許可・承認申請(DIPS2.0)や 飛行計画の通報は、NOTAM の発行手続きとは別の制度です。 私たちが確認した範囲の公式資料(許可承認の審査要領・飛行計画通報要領・DIPSのFAQ)には、 DIPS への申請や通報が NOTAM を自動的に発行するという記述はありません。
NOTAM に載る飛行では、審査要領がそれぞれ別の通知を求めています (審査要領(PDF)):
- 空港等周辺・地上150m以上の空域の飛行: 飛行を行う日の前日までに、 管轄の空港事務所長等へ飛行の日時・経路・高度などを通知
- 補助者なし目視外飛行(機体の状況を常時確認できない場合): 1開庁日前までに、 管轄の地方航空局長へ通知
実務の流れは東京・大阪航空局の案内 (「航空情報発行のための飛行内容通知方法について」2026年4月版(PDF)) にまとまっています。要点:
- 飛行内容通知書を地方航空局へ提出(受付は平日9〜17時・飛行日の1開庁日前まで)→ 局から航空情報センターへ発行依頼 → NOTAM 発行
- 事前調整が済んでいる案件は、申請者から航空情報センターへ直接電話で依頼できる(24時間・土日祝も可)
- 1回の依頼で載せられるのは依頼日から3か月以内の期間まで
- メール窓口: 東京航空局 cab-emujin-shinsa-a@mlit.go.jp / 大阪航空局 cab-wmujin-shinsa-a@mlit.go.jp(いずれも保安部運航課無人航空機係)
- 飛行範囲が防衛省管轄の管制圏(旭川・千歳など)にかかる場合は届出先が異なるので、上記資料の一覧で確認
そもそもの許可・承認申請(DIPS2.0)は飛行開始の10開庁日以上前(推奨は3〜4週間前)です (航空局: 無人航空機の飛行許可・承認手続)。 自分の飛行が NOTAM でどう見えるかはドローンのNOTAMで説明しています。
どのケースでどこへ — 早見表
| やりたいこと | 根拠 | 出す先 | いつまでに |
|---|---|---|---|
| 花火・ロケット等の打上げ、気球、凧、集団飛行など | 法134条の3+規則239条の2・239条の3 | 東京FAIB(東日本)/関西FAIB(西日本) | 条文は「あらかじめ」。早めに |
| ドローンを空港周辺・150m以上で飛ばす | 許可承認+審査要領 | DIPS2.0(10開庁日以上前)+空港事務所長等へ通知 | 飛行の前日まで |
| ドローンの補助者なし目視外飛行 | 審査要領 | DIPS2.0+地方航空局長へ飛行内容通知書 | 1開庁日前まで |
| イベントでの上空レーザー照射 | 法134条の3(許可側) | 最寄りの空港事務所に相談(航空局の案内) | — |
注意: 手続きは改正や運用変更があります。このページは2026年9月2日時点で確認した 公式資料の整理で、実際の手続きは必ずリンク先の最新資料と窓口で確認してください。
発行されたら、自分で読めるようにしておく
届出が NOTAM になったら、内容が正しく載っているかを自分で確かめられると安心です。 電文の形は読み方で分解できます。 デコーダに貼り付ければ日本語の要点に直ります。 座標が合っているかは座標の読み方の手順で地図に載せて確認できます。
よくある質問
DIPS で飛行計画を通報すれば NOTAM になりますか。
確認した範囲の公式資料(審査要領・飛行計画通報要領・DIPSのFAQ)に、DIPSへの申請・通報がNOTAMを自動発行するという記述はありません。飛行計画の通報は無人航空機同士の衝突防止のための情報共有制度で、NOTAMに載る飛行では空港事務所長等または地方航空局長への通知が別に求められています。
何日前までに出せばよいですか。
花火等(航空法134条の3)は条文上「あらかじめ」としか定められていません。ドローンの飛行内容通知書は飛行日の1開庁日前まで、空港周辺・150m以上の通知は前日まで、そもそもの飛行許可・承認申請は10開庁日以上前(推奨3〜4週間前)です。いずれも余裕を持って窓口に相談するのが確実です。
個人でも依頼できますか。
条文の申請者・通報者に資格の限定はありません。施行規則が求める記載事項も氏名・住所・連絡場所・目的・内容・日時・場所です。
届け出れば必ず NOTAM になりますか。
花火等の届出が全件NOTAM化されるのか、発行側の判断が入るのかを明記した公表資料は確認できませんでした。施行規則209条の2で「花火等の打上げ」が航空情報の内容に含まれることまでは条文で確認できます。確実にしたい場合は届出時に窓口へ確認してください。
